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皆様

数学教育実践研究会
会長  蔵原 清人

第70回全国大会中止のお知らせ

 当会は、数学教育実践研究会第70回大会を、本年8月22日(土)23日(日)青少年オリンピックセンターに於いて開催するための準備を進め、第一次案内等にてお知らせをしてきたところです。
 しかし、新型コロナウイルスの影響はいまだおさまらず、大会参加者の健康安全の保障や、各地の休校措置に関わる課題解決の見通し等が立っておりません。このような状況を考え、今年度の大会を中止することに決定いたしました。
 なお、今大会に予定されていた、講演・提案・報告等については、当会機関誌において「誌上発表号」として発行いたします。発行予定の秋ごろにお知らせいたしますので、是非お求めください。
 大会に期待を寄せていただいていた方々には大変申し訳ありませんが、ご理解のほどをよろしくお願いいたします。


コロナと数実研

                          会長  蔵原清人

 コロナ感染の恐れということで、3月より学校が休みになっていて授業が行われていません。授業がないだけでなく子どもが学校に行くことが禁止されています。数実研としては算数・数学の授業をどうすべきかを考える必要がありますが、その前に学校とはそもそも何だったのかを考えることが大切だと思います。
 政府は学校を休みにするといいながら、パソコン授業をさせようとしています。あるいは宿題を出して授業の遅れを少しでもなくそうとしています。しかし本当にそういうことで学習が進むのでしょうか。私の孫は今年小学校に入学しましたが、授業を受けていないのに宿題として算数のドリルが出ています。親が教えることができない家庭で子どもが自分だけでこれらの課題をすることはできないと思います。
 子どもにとっての学校は授業もありますが、友達と会えるところ、一緒に遊べるところではないかと思います。そこは子どもの成長の場であるのではないでしょうか。ただ暇つぶし的に学校に行っているのではなく、授業中の友達の答え方や反応からも色々学んでいると思います。休校はそうした機会を子どもから奪うことになります。
 学校のパソコンの普及率はひどい状態ですし、家庭に子ども用のパソコンのある家も限られます。教員の準備にも時間がかかります。と思ったら、パソコン授業のためにはあと600万台必要だという記事が新聞に出ました。これではパソコンメーカーが儲けるだけです。コロナ対策を集中して進めるべき時に、それをしないで「ソサエティ5.0」という社会のコンピュータ化を進める計画を実行しようというのです。ニュースを見ても政府のコロナ対策の本気度が疑われます。
 さらに休校が続いたから夏休みを短くするとか、この際9月新学期にするとかいう話が突然出ています。この間の教員や関係者の必死の努力は何だったのでしょう。9月新学期の主張は日本中半年留年させることですし、予算の年度の区切りを変えなければできないことです。日本中のシステムを変更することになります。こんなことはすぐにはできないことは明白です。政府も本当にできるとは思っていないでしょう。こんなこともできるのだという、政府の持っている力を国民に見せつけようとするためのものでしょうか。
 私たちはあれこれの報道に迷わされずに教育実践を進めていくことが大切です。もちろん実践は算数・数学だけではありません。こうした状況では教員自身がまず励まされ元気づけられることが必要でしょう。理事会・事務局の合同会議ではzoomでの会議をしてみました。一人ひとりの顔を見ながら話ができることはとても励まされました。サークルでは今集まれないとしても、メールで情報を交換することはできます。たとえば東京民研の算数・数学部会ではメールの情報をニュースにして配信を始めました。
 これらの経験はみんながパソコンを持っているならサークルでも生かせるのではないでしょうか。子どもたちはどうしているでしょうか。勉強に取り組んでいるのでしょうか。サークルではとりあえず近況を報告し学校ではどんな取り組みをしているか交流し合いましょう。このような時こそ数実研としての結びつきを生かそうではありませんか。


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